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うみ

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ガーナでの仕事の合間に海に行きました。 Labadi Beach アクラから車で20分ほどでしょうか、少し行くとすぐに海に到着します。ラバディビーチというところで、海岸線は主にリゾートホテルが占めていますが、部分的に一般の人々が有料でビーチに入ることができます。今回、ガーナの海を見てみたいと共同研究者にお願いして週末に連れてきてもらったのです。  車から降りると磯の香りがします。その香りは伊豆の海岸とそれほど違いはありません。入場料を支払ってビーチに降りるとどこまでも続く海岸線が見えます。程よく立ち上がっては海岸線で砕け落ちる波があり、多くの人たちが波と戯れていますが不思議とサーフィンは見えません。泳いでいる人もいないのでもしかすると離岸流があるのかもしれません。  靴を脱いでさらに靴下も脱いではだしでビーチを歩きました。一面砂浜になり、細かな砂に波がかかりしっかりとしまったビーチを歩くととても気持ちよく感じました。  ビーチから海を見るとどこまでも何もありません。沖の方に漁師の船が見えるだけです。このガーナの南にはこの先南極まで何もないはずです。そう思うととても不思議な気がします。  日本は海に囲まれています。三島の近くには駿河湾や相模湾、さらにその先は広い太平洋があります。私が生まれ育った愛媛には九州との間に横たわる豊後水道やリアス式海岸、松山の沖の瀬戸内海があります。海はどこへ行っても同じ海ですし、同じような磯の香りがしますが、二つとして同じような海を見たことがありません。伊豆の先に横たわる太平洋とガーナの沖の大西洋もずいぶん異なる顔を見せています。どこも同じ海なのに同じ顔の海がない。なぜだかとても不思議な気がするのです。

ガーナで気候変動を思う

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アフリカの大型げっ歯類について共同研究を進めるためにガーナに来ています。 幸いにも科研費の支援を受けることができ、今後6年間共同研究を進めることになりました。この研究の話はまた後日報告させていただく機会があればと思っていますが、今回は気候のことについて触れたいと思います。 ガーナに来るのはこれで2回目です。前回は2018年の12月に来ており、今回は2020年の1月です。約1年ぶりになります。前回来た際にはハマタン(砂嵐)の始まりの季節だと聞いており、砂っぽいなあと思いながらも割と普通に過ごしていました。しかし、今回は空港から外に出たとたんにびっくりです。まるで街全体が黄色い濃霧かあるいは煙でおおわれているようで、少し前に風邪を引いたこともあり息を吸い込むといきなりせき込んでしまいました。実はこれが本当のハマタンのようです。 滞在二日目の今日はアクラから車で小一時間ほど移動した郊外の大学付属農場で実験を行いました。移動中は車の中にいますが、窓から見る景色は空気さえも黄色に見え太陽はかすんでまるで月のように肉眼で直視することができます。 車のラジオからはBBCニュースでオーストラリアで大規模な火災が続いていることを話しています。共同研究者のクリスに話を聞くと、ガーナでも地球温暖化の影響か、気候が不安定になり、あり得ない時期に大雨があったり乾燥したりと激しい天候になることが増えているそうです。日本も確実に気候が変わりつつあります。ガーナではとても極端な気候を見ることができるように思いますが、地球の悲鳴に目を向けないといけないと改めて思うのでした。